準備編
販売管理用データベースを作るために、必要な機能や必要とされる項目などを考えてみます。
と言っても難しいことはさておき、一般的にこんな感じかなと思える範囲で考えてみることにします。
業務フローと必要な機能を考える
まず、販売管理の業務フローと必要な機能を考えてみます。
業務フロー
売上関係では顧客から販売部門[売上管理]で「受注」を受け商品管理部門[在庫管理]に「出荷指図書」が廻されて、商品が顧客に「納品」されると同時に「売上」(債券)が発生し、それを「回収」する。
仕入関係では担当者が仕入先に「発注」を掛け、仕入先から商品部門[在庫管理]に商品が「入荷」して「仕入」(債務)が発生し、それに対して「支払」処理をする。
業務の流れとしてはザットこの様な感じではないかと思います。
必要な機能
必要な機能を売上管理、在庫管理、仕入管理に分けて考えてみます。
- ■売上管理
- 受注管理・・・顧客から「注文」を受け「出荷」の手配をして「売上」を計上する。
- 債権管理・・・顧客に売上代金の請求をして、回収する。
- 顧客管理・・・顧客毎の販売及び回収状況の把握する。
- 売上管理・・・売上状況の把握と管理する。
- ■在庫管理
- 入出庫管理・・商品の入出庫を管理する。
- 在庫管理・・・現在在庫の管理及び発注状況・入荷予定日の把握。
- ■仕入管理
- 発注管理・・・在庫状況を把握して発注に役立てる。
- 仕入管理・・・仕入状況の把握と請求に対する照合。
ここでは、大雑把ですが以上を必要な機能とします。
必要な情報を検討する
次に、上記の内容を機能させるのに必要な情報を検討してみます。
必要な情報の検討
販売管理データベースとして機能させるのに必要な情報として考えられる物を「販売管理・在庫管理・仕入管理」のグループに分けて考えてみます。
●販売管理では
顧客、担当者(社員)、受注、売上、回収
●在庫管理では
商品、出荷、入荷
●仕入管理では
仕入先、担当者(社員)、発注、仕入、支払
これらを基に、必要項目を考えてみます。
各情報に必要な項目の検討
- 顧客(名前、住所、E-mail、電話番号、FAX番号、支払日)
- 受注(受注No、顧客名、担当者、受注日、商品、受注数量、単価)
- 売上(売上No、顧客名、担当者、売上日、商品、売上数量、単価、請求状況)
- 回収(入金No、顧客名、担当者、入金日、入金額)
- 商品(商品コード、商品区分、商品名、仕入先、原価、売価、繰越残高、入庫、出庫、生産状況)
- 出荷(出荷日、出荷先、商品、数量)
- 入荷(入荷日、仕入先、商品、数量)
- 仕入先(名前、住所、E-mail、電話番号、FAX番号、締日)
- 発注(発注No、発注日、仕入先、担当者、商品、数量、原価、入荷予定日)
- 仕入(仕入No、仕入日、仕入先、担当者、商品、数量、原価、支払状況)
- 支払(支払日、仕入先、支払金額)
この他にも必要な情報は有ると思いますが、これで作業を進めていくことにします。
必要なテーブル・項目とその仕様を検討する
上記の内容を整理しながら作成するテーブルとフィールド(項目)を等、データベースの構成とその仕様を検討して行きます。
必要なテーブルと項目及びその仕様
顧客・仕入先
仕様 | 住所を都道府県、市区町村と住所に分け、都道府県テーブル、市区町村テーブルから選択して入力できるようにする。 |
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顧客テーブル | 顧客コード、顧客名、よみ、郵便番号、都道府県、市区町村、住所、電話番号、FAX番号、E-mail |
仕入先テーブル | 仕入先コード、仕入先名、よみ、郵便番号、都道府県、市区町村、住所、電話番号、FAX番号、E-mail、(仕入先)担当者、 |
都道府県テーブル | 都道府県コード、都道府県名 |
市区町村テーブル | 都道府県コード、都道府県名 |
受注・売上・回収
仕様 | [売上]と[出荷]は内容的に重複しているので[販売]テーブルとし、詳細部分のレコードを[販売明細]に分ける。 納品処理、請求処理の済んでいるレコードを区別できるように”納品”及び”請求”の処理項目を設ける、更に売上・返品等の区別のために”販売区分”のを設ける。[回収]も[販売]テーブルで処理をするこのにし、その処理区分として”仕訳” を設け、顧客の取引状況が把握できるようにする。 |
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販売テーブル | 受注No(入金No)、受注日(入金日)、仕訳、顧客、担当、金額、請求 |
販売明細テーブル | 受注No、商品、数量、単価 |
請求テーブル | 請求No、請求日、社員、顧客、前月請求、入金額、当月請求 |
商品
仕様 | [商品]の入出庫の変動項目は[販売明細]と[発注明細]を参照する。 |
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商品テーブル | 商品コード、商品区分、商品名、仕入先、原価、売価、繰越残高、入庫、出庫、生産状況 |
発注
仕様 | 商品・数量等の明細部分を[発注]と[発注明細]に分け、入荷・未入荷の区別に”入荷済”区分を設ける。 |
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発注テーブル | 発注No、発注日、仕入先、担当者、入荷済 |
発注明細テーブル | 発注No、商品、数量、原価、入荷予定日 |
入荷・仕入・支払
仕様 | [入荷]は[仕入]情報と重なるので[仕入]に含め、[支払]は[仕入]で処理をするようにし、処理区分に”仕訳”を設ける。商品は[発注明細]に関連づける。 |
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仕入テーブル | 仕入No、仕入日、仕訳、仕入先、担当者、明細コード、支払状況 |
作成テーブルと項目の決定
ここまで検討してきた内容をもとに、作成するテーブルとフィールドを下図のように決め作業を先に進めて行くとにします。